歯科情報・知識

歯と歯ならびと「ひみこのはがいーぜ」④脳の発達

みなさん、こんにちは。世田谷区経堂にある ふなき矯正歯科経堂クリニック 会長の舩木純三です。今日は私の著書「グッドスマイルとアンチエイジング①よい歯と歯ならびで健康長寿」から抜粋してお届けする第二弾。

歯と歯ならびがアンチエイジングにつながるお話を8回に分けてお届けします。

④「の」脳の発達

脳は各部分で役割があります。たとえば、食物を食べて硬い、熱い、美味しい、などの情報は脳の外側にある大脳皮質に送られ判断されます。その後、感情(情動)を支配する脳の中心にある偏桃体で過去の記憶と比べた情報が視床下部に伝えられ、食べることがスタートします。これと同時に、その食物の美味な記憶が海馬に記録されます。

出典:噛んでボケは予防できるか

このような一連の過程によって、味が記憶されるわけです。小野塚実先生等は、歯のないマウスと通常のマウスで実験を行い、人がよくガムを噛んだときには、海馬や大脳皮質の連合野の神経細胞が活性化することをつきとめたのです。さらに、高齢者に毎回の食事を複数の人と、食べたいものをよく噛んで食べてもらうという実験を行ったところ、表情が生き生きして、海馬機能が著しく高まることが分かったのです。

高齢になるとすべての機能は衰えます。食べる機能は噛むことと同時に、だ液の作用や舌の動きなどによる飲み込む動作を伴います。これらの機能が衰えないよう、世田谷区歯科医師会では、65歳以上の高齢者を対象に、舌も含めたお口の体操やだ液腺マッサージなどの講習会も行っています。

何歳になっても、自分の歯やしっかり噛める入れ歯で、よく噛んで食べられるようにすれば、認知症の予防にもつながります。

 

※ふなき矯正歯科経堂クリニック(世田谷区経堂所在)理事長・舩木純三著書「グッドスマイルとアンチエイジング①よい歯と歯ならびで健康長寿」より抜粋転載。

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