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歯と歯ならびと「ひみこのはがいーぜ」⑤歯の病気予防

みなさん、こんにちは。世田谷区経堂にある ふなき矯正歯科経堂クリニック 会長の舩木純三です。今日は私の著書「グッドスマイルとアンチエイジング①よい歯と歯ならびで健康長寿」から抜粋してお届けする第二弾。

歯と歯ならびがアンチエイジングにつながるお話を8回に分けてお届けします。

⑤「は」歯の病気予防

最近、私の出身大学の教授が歯周病と糖尿病について某新聞で解説していました。皆様は歯の病気と聞いて、きっとむし歯や歯周病を想像するでしょう。実は、歯や口に関する病気はむし歯や歯周病だけでなく、口臭やがん、歯の植わっている骨や神経、血管などに関する病気がいろいろあります。その中の代表選手であるむし歯や歯周病を予防するには、よく噛むことがとても大事です。

むし歯の主な原因はミュータンス菌という細菌です。酸素を利用できる(通性嫌気性)グラム陽性菌で、主に7種類に分類されています。一方、歯周病の原因は口の中にいつもいる常在細菌で、アクチノマイセスや重度な歯周病の時に出現する特別なPg菌、Tf菌など主に5種です。体の免疫力が落ちたときなどに、一部の菌が増殖して歯周病が起こります。

むし歯菌は口の中に残った食物の糖やたんぱく質を餌にして乳酸を作ります。この酸が硬いエナメル質を溶かしてむし歯になります。一方、歯周病菌は歯と歯肉の間(歯周ポケット)に入った菌が歯肉を攻撃して炎症を起こします(歯周炎)。これが進行して、歯が植わっている骨が吸収して、歯周的に歯が抜け落ちてしまいます。このように、むし歯と歯周病は原因が違うので、むし歯が1本もない人も油断していると歯周病にかかってしまいます。

歯周病は、口の衛生状態以外にも原因があります。中でも問題なのがタバコです。タバコはその成分であるニコチンが歯肉の抵抗力を弱らせ、歯周病にかかりやすくします。また、軟らかいインスタント食品の食べ過ぎや歯ぎしり、食いしばり、ストレス、糖尿病、抗てんかん薬など多くの原因があります。

では、よく噛むことでなぜこれらが改善するのでしょうか。この理由の1つにだ液の作用があります。だ液はむし歯菌などを流すばかりか、だ液の中にある物質がむし歯菌や歯周病菌を殺してしまいます(殺菌作用)。だ液はよく噛むことでだ液腺が刺激され、大量に出てむし歯や歯周病を予防してくれるわけです。高齢者はだ液の量が少なくなりますので、特に食事はよく噛むようにして、1日2回ほどは3ヶ所ある大きなだ液腺(耳下腺、舌下腺、顎下腺)をマッサージするとよいでしょう。また、野菜など繊維質をとると歯についたプラークも取れやすくなりますし、体に有害な活性酸素も減らします。

もっと確実に、この歯の2大疾患を予防するには、食後に正しく歯みがきをして、年に3~4回、歯科の定期診査を受けることも大事です。歯の病気は風邪などと異なり、自然にの治ることはありません。歯が痛くなる前に、歯ぐきからの出血や口が臭くなる前に、検診を受けることをお勧めします。

ここで、2大疾患を予防するため、私が毎日行っていることをお話します。まず、歯がでこぼこだと歯みがきをしてもどうしても十分にみがけません。私は矯正治療で歯ならびをきれいにした後は、かなり楽に短時間でみがけるようになりました。今は、食事の後は、たとえ会議中で時間がなくても洗面所で携帯歯みがきを持って、短時間で磨くか、口を強くゆすぐように心がけています。

また、夜はだ液が少なくなり、むし歯菌などを流せなくなるため、必ず寝る前は歯みがきをするか、口をゆすいでいます。さらに、朝起きてすぐ簡単な歯みがきを行なったり、夜、トイレに起きた時は口をゆすぐようにしています。「こんなに苦労したら大変」と思われるかもしれませんが、習慣としてしまえば苦になりません。健康長寿のために、今日から試してみてはいかがでしょうか。

 

※ふなき矯正歯科経堂クリニック(世田谷区経堂所在)理事長・舩木純三著書「グッドスマイルとアンチエイジング①よい歯と歯ならびで健康長寿」より抜粋転載。

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